まず、職業介護人を雇った場合にかかる金額については、介護報酬基準額を用いることが多いです。たとえば身体の介護が必要で要介護2のケースでは、介護報酬基準額が日額5840円となります。そこで、この金額を基準にして、実際に療養介護を行った日数をかけます。

ただし、この日当の金額は介護の資格を持ったプロを雇った場合の金額ですし、職業介護人は被相続人との身分関係もない第三者なので、本来的に扶養義務を負っている相続人が介護をした場合と同視することはできません。
 

そこで、こうして計算された金額をそのまま適用するのではなく、実際の寄与分を計算する際には、「裁量的な割合」を決めて、これをかけ算することによって金額の調整を行います。裁量的な割合は、ケースによっても異なりますが、1から0.6の範囲で認定されることが普通で、だいたい0.7から0.8程度となることが多いです。